中古車市場で時々遭遇する新古車ですが、中古車の賢い選び方として、この新古車を最初から狙うというのがあります。わたしも中古車を初めて買うまで、新古車というものを知りませんでした。行きつけのガソリンスタンドが中古車も展示しているのを前から知っていたので、買い替えを考えて見に行ったときのことです。いろいろ見せてもらって、なかなか気に入ったのがなかったのですが、店員さんがふと思いついたように紹介してくれたのが新古車でした。この程度の価格帯にはなりますけれどと言いながら見せてくれたのは、テレビでもしばらく前にCMを流していた車種でした。新古車という聞き慣れないことばに戸惑い、その意味を尋ねたら、いろいろ親切に説明してもらえました。未使用であるという意味においては新車なのだそうです。ところが新車とは違ってとっても安いのです。新車同様だけれど、手続きも含めて中古車扱いなのです。

こんなおいしい話、初めてでした。それで知ったのが、複雑なディーラーさんたちの苦心の策です。販売台数を上乗せして報奨金をゲットするために、無理をして販売台数を増やすというのです。そんな事情で出てくるのが、乗ってもいないのに中古車となった新車というわけです。

もちろん本物の中古車並みの価格にはなりません。新車よりちょっと安いという程度です。それでもやはり安いのです。新古車という名称はどうやら法律上禁止されているようで、正式なところにはそんな記載は一切ありませんが、見るからに新車です。一般の中古車なら、いくら丁寧な販売店がピカピカ磨いても、ここまできれいではありません。それなりの「歳」を感じさせます。なのに新古車は、何度も書きますがほんとに新車です。

普通の中古車か新古車か、選び方は人それぞれです。価格を気にする人、車種や年式を気にする人は、自分の気に入った中古車を見つけたほうがいいでしょう。価格が新車に近いけれど、そして自分の気に入っている車種がいつも必ず新古車で出ているとは限らないけれど、それでも新車と同等のがいいという人には、お勧めです。