新車の相場を見てみると、決算期は相場が落ちるという言葉があります。決算期というと、3月の年度末が挙げられますが確かにそのような傾向があります。新車を年度末に購入すれば、値引きが受けられる可能性は十分にあります。しかし中古車に関してみると、年度末だからといって、相場がダウンすることはまずないと思ってください。

これは、販売店のからくりが関係しているといわれています。新車販売で年度末に積極的に値引きする所が多いのは、自動車メーカーから一定の目標をクリアできれば保証金が下りることがあるからです。その他にも先ほど紹介したように、3月決算を採用している所が多いので、決算対策のために少しでも売り上げを伸ばしたいという心理が働くことも関係していると思われます。このような慣習があることも関係して、年間で見ると、3月の新車登録台数は、ほかの月と比較して実に倍近くを記録することも決して珍しいことではありません。

このことを中古車市場で考えてみましょう。新車がこれだけ販売されている、そして値引きされているので購入する人が多いということは、その購入した人が以前乗っていた自動車が中古車となって市場に流れてきます。実は3月になると中古車の登録台数もほかの月と比較して、倍近くになることがあるわけです。一方で、中古車を手放す人の中には、新車は購入するのが予算的に厳しいので、安い中古車を購入したいという意識が働きます。そうなると、中古車の需要もアップします。

供給も確かにアップしますが、一方で需要もかなりアップします。需給のバランスによって価格は決められるのは中古車も同様です。需要が強く残ることによって、相場を下げる力がなかなか有効に働かなくなってしまうわけです。